剱地八幡神社大祭は、泣き砂で知られる「琴が浜」がある輪島市門前町剱地地区の夏祭りで、元々はこの地に伝わる「おさよ」と「重蔵」の悲恋の物語にちなみ、「おさよまつり」とも呼ばれています。また、神輿に乗った神様が各家庭を回って幸福をもたらすことから「神幸祭」とも呼ばれています。
祭りの日、神輿は朝からキリコや獅子舞とともに、町内を回ります。担ぎ手は、神輿やキリコを頭上に高く担ぎ上げると、家紋入りの幕と提灯を下げた民家の軒をすれすれに通り抜け、「ソーラ、サッセ」と掛け声をかけ、右に左にゆれながら練り歩きます。
町内をくまなく巡行し、午後10時頃に神社の前へ。鉦と太鼓の祭囃子に合わせて、神輿とキリコがいっせいに力強く乱舞する中、神輿の上に若者が飛び乗り、屋根に飾られた神様の依代である鳳凰を抜き取ると、祭りはいよいよクライマックスを迎えます。鳳凰を抜き取るのは、厄年を迎える若者。ハレの仕事をやり遂げると「できたできた、うまいことできた」と一斉に称えられます。
剱地八幡神社大祭の特徴の一つは、獅子舞が出ることです。神社の前で繰り広げられる「獅子殺し」の舞いでは、天狗が獅子に馬乗りになって登場し、華麗な舞いで獅子を退治。その後、神輿が神社の中へ還り、祭りはフィナーレを迎えます。
ここ数年は、人手不足により獅子舞は行われておらず、今後の再開が待ち望まれます。
●神輿とキリコ、獅子舞が並んで巡行
●神輿とキリコを頭上高く掲げて力強く練り歩く
●神社前で繰り広げる天狗による「獅子殺し」
開催日/7月「海の日」直前の日曜日
場所/輪島市門前町剱地地区
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問い合わせ/輪島市 観光課
☎0768-23-1146