「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」の里、輪島市名舟町。その昔、この地に攻め入る上杉謙信の軍を、村人が奇怪な面をかぶり太鼓を打ち鳴らして退けたことが「御陣乗太鼓」の由来です。村人はこれを舳倉(へぐら)島の奥津比咩神の御神徳によるものとし、奥津比咩神社の大祭「名舟大祭」で太鼓を奉納するようになりました。
祭りの最初の見せ場は初日の夜9時頃。奥津比咩神社の遥拝所である白山神社に各地区のキリコが参集します。神社は急陵な崖に張りつくように鎮座しているため、参道の急な坂道を進む担ぎ手は危険と隣り合わせ。必死に担ぐ姿に思わず声援を送りたくなります。
キリコが勢ぞろいすると神輿とともに名舟海岸へ。海に立つ鳥居まで神輿が船に乗り、舳倉島にある奥津比咩神社の祭神を迎えます。神輿が海岸に戻ると、御陣乗太鼓を奉納。暗闇に浮かび上がる恐ろしい形相の面と鬼気迫る太鼓の音は迫力満点です。午後11時を回る頃から、神輿とキリコが町内を巡行し、その後も、お仮屋でキリコが勇壮に乱舞します。
2日目の本祭りでは、御陣乗太鼓が山車に乗って神輿を先導。道中を音で清める露払いの役です。神輿が名舟海岸に到着すると、船に神輿を乗せ、海に立つ鳥居まで祭神をお送りします。海岸の広場では、山車から降りた御陣乗太鼓の奉納打ちが始まり、祭りは終盤。夏空のもと、繰り広げられる太鼓もまた一興。腹の底に響く荒々しい音色に祭りの余韻が漂います。
●船に乗って神様を送迎する厳かな神事
●急坂の参道をキリコを担いで登る勇壮な姿
●御陣乗太鼓の鬼面の迫力と力強い音色
開催日/7月31日・8月1日
場所/輪島市名舟町
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問い合わせ/輪島市 観光課
☎0768-23-1146