七尾市中心部にある大地主(おおとこぬし)神社(山王神社)の夏祭り「七尾祇園祭」は、疫病厄除けを願う祇園信仰が盛んだった平安時代、この地に京都祇園社の祭神を勧請し祇園会を行ったことが始まりだと伝えられています。祭神・牛頭天王(ごずてんのう)が納涼のため浜辺の仮宮に遷座することから「おすずみ祭」とも呼ばれています。
祭りでは、初子誕生や家屋新築などの祝いごとがあった家が、町内の奉燈(キリコ)に祝酒を出し、担ぎ手の若衆が「シューガ・カーガ・チョウチン・ヤットコセー(祝賀加賀長久弥栄)」という祝唄を返す習わしが今も続いています。
祭りのクライマックスは夜。夕方、町内を巡行した奉燈は、花火を合図に、浜辺の仮宮に集まります。
御祓いのあと、くじで決まった1番の町から神輿を先導して大地主神社へ。境内に勢ぞろいした11基の奉燈には笛、鉦、太鼓の囃子衆が乗り込み、50人余りの若衆が担ぎ出します。赤々と燃え上がるかがり火の周囲を競い合うように奉燈が疾駆。時には息をぐっと止めて見入るほどに凄まじい勢いで乱舞します。奉燈の運行は太鼓に合わせて赤襷(たすき)の指導者が疾走、徐行、停止の合図を出し、その見事な統率ぶりも見どころのひとつです。
鳴り響くお囃子とゆらゆら動く灯りの競演のうちに夜は更け、くじで最後になった町が七尾に古くから伝わる祝儀唄「七尾まだら」を披露して祭りを締めくくります。
●かがり火の周りを11基の奉灯が競うように乱舞
●赤襷の指導者による奉燈の運行の統率ぶり
●祭りの締めに披露される祝儀唄「七尾まだら」
開催日/7月第2土曜日
場所/七尾市山王町(及び市街地東部)
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問い合わせ/七尾市 交流推進課
☎0767-53-8424