袖キリコの中でも、特徴的なキリコが出ることで有名なのが能登町鵜川地区のにわか祭です。その昔、不漁や海難事故が続いたため、海の女神である市杵島姫命(弁財天)を祀る海瀬神社に豊漁、海上安全を祈願し、凛々しい武者絵を描いた行燈を担いで奉納したことが始まりと伝えられています。以来、鵜川の漁師達は祭礼に使われた御幣や武者絵を豊漁安全のお札として船や神棚に飾ることが習わしとなっています。
「にわか」の名は、加賀藩13代藩主・前田斉泰公が能登を訪れた時、旅情を慰めようと袖キリコをにわか作りで組み立てて披露したことが由来といわれています。「にわか」と呼ばれる袖キリコは、高さ約7m、幅約5・4mのユニークな形状で、ほかの地区のキリコのように神輿のお供ではなく、御幣を使って神様を乗せているのが特徴です。
祭りの初日、日が暮れると、9基のにわかが「見卸しの浜」と呼ばれる広場に集まり、花火を合図に町内を練り歩きます。深夜に鵜川大橋を渡って宮入り。太鼓や鉦に激しく囃されて、若者達が境内を威勢よく練り回り、祭りは明け方近くまで続きます。
各町が創意を凝らした豪華な武者絵を、住民や見物客が品評し合うのも祭りの楽しみです。
●「見卸しの浜」に勢ぞろいした9基のキリコの迫力
●鵜川大橋を渡る際の、川面に映る武者絵の美しさ
●海の安全を祈願し夜通しで続く勇壮な乱舞
開催日/8月第4土曜日
場所/能登町鵜川地区
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問い合わせ/能登町 ふるさと振興課
☎0768-62-8532