能登町小木地区は全国有数のイカ漁の基地港。御船神社の秋祭りでは、奴凧を思わせる「袖キリコ」が地区内を練り歩きます。
祭りの初日、庄崎(港の東側)に集合したキリコは、港を海岸沿いにぐるりと練り歩き、西町海岸(港の西側)で休憩。海岸沿いに並んだ9基のキリコの灯りが水面に映り、幻想的な光景が浮かび上がります。
初日のクライマックスは、高台にある御船神社を目指しキリコが急坂を上る「宮上げ」。午後10時を過ぎると、笛や太鼓が激しく鳴り響く中、神社へ向かう「宮(やしろ)坂」の石段を上ります。綱で引き上げる前方、押し上げる後方、歯止め役に分かれ、「ヨイトショー、ヨイトショー」と声をかけながら、力を合わせて少しずつ上ります。
神社で清祓いを終えると、今度は下り。上りの際には、段差をなくすため石段に三角形の木材を置きますが、帰りは木材を外されるため、石段を落ちるたびにキリコの下についている車輪が激しく音を立てます。一同が息を合わせ、石段を1段1段下りていくさまは迫力満点。凄まじい気合いに見る人も思わず声を出してしまうほどです。
翌日、キリコは神輿とともに町内を押し合いへし合いしながら巡行。午後5時には港の最奥部で華麗な「辻回し」が行われます。フィナーレの宮入では、神輿を神社に帰さないようにキリコが行く手を阻み、この駆け引きも見どころの一つです。
●夜の小木港に並ぶ袖キリコの幽玄美
●袖キリコを押し上げる「宮上げ」の迫力
●神輿と袖キリコとの駆け引きのおもしろさ
開催日/9月第3土曜日・日曜日
場所/能登町小木地区
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問い合わせ/能登町 ふるさと振興課
☎0768-62-8526