珠洲市正院町正院地区に鎮座する須受八幡宮の秋祭りは、奇抜な格好をした若者による「奴(やっこ)振り」で知られています。
祭り初日の夕刻、各地区が誇る艶やかなキリコが勢揃いし、明け方近くまで町内を巡行します。お囃子は篠笛と太鼓。鋲留めの平太鼓がキリコに吊り下げられ、賑やかに打ち込まれます。鈴をつけた若衆が威勢のいい掛け声とともに、ゆさゆさ揺らしながら曳きまわします。
2日目は午後から「奴振り」。「ドテラ」に化粧前掛けをした若者が、手に「シャンガ」と呼ばれる毛槍を持って、木遣り風のゆったりと唄うような掛け声とともに、行列をなして地区内をくまなく行進します。腕を大きく横に広げて行ったり来たりする奴姿は、正院の整然とした街並みと相まって、まるで道中絵巻のようです。
目貫通りの大町通りで、シャンガを向かい側の相手に放り出す妙技は見逃せません。合図の音で、向かい合わせになり、掛け声に合わせ、一斉に向こう側へ高く放り出すと、シャンガは放物線を描き相手方に。粋で勇壮な技に見物客から歓声があがります。
夜、行列が神社に戻ると、八幡太鼓が奉納され、神社に集合していたキリコは乱舞しながら各地区へ帰っていきます。
●絢爛豪華なキリコが夜を徹して巡行
●キリコを揺らしながら練り歩く、独特の曳きまわし
●派手な装束の若者たちが妙技を見せる「奴振り」
開催日/9月14日・15日
場所/珠洲市正院町
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問い合わせ/珠洲市 観光交流課
☎0768-82-7776