能登のキリコ祭り

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輪島市
WAJIMA CITY

輪島大祭
わじまたいさい

晩夏を彩る四つの祭り 
輪島の町中が熱く燃える

総漆塗りのキリコと過ごす、 輪島が最も熱い日

 「輪島大祭」は輪島市中心部の4つの地区(海士町・奥津比咩神社、河井町・重蔵神社、鳳至町・住吉神社、輪島崎町・輪島前神社)で行う夏祭りの総称です。いずれも神様に涼をおとりいただく「お涼み祭り」で、総漆塗りの豪華なキリコが巡行するのは、漆の里・輪島ならでは。4つの祭りは連続して開催され、この間、市内はむせかえるような熱気に包まれます。

女装した若者が神輿を担ぐ

 トップバッターは奥津比咩神社の祭礼。本社は輪島沖の舳倉島にありますが、現在は海士町にある里宮で行われます。神輿を担ぐのは、顔に紅を塗り、カラフルな腰巻をつけ女装した若者たち。初日の夕方、袖ヶ浜で神輿が海に入り沖に向かうと、浜側から子どもたちが神輿に結んだ手綱を引っぱり、神輿が行きつ戻りつします。このやりとりが長引くほど、豊漁になるといわれています。

松明につけた御幣を奪い合う

 重蔵神社の祭礼では、お供の「奴提灯」も見逃せません。蒔絵や青貝の装飾が施された提灯は、キリコの明かりに照らされいっそう美しく輝きます。輪島港マリンタウンでの松明神事では、大松明に注目です。最上部が笠のような形をしており、「くじきり縄」と呼ぶ縄を取りつけ、その縄を囲むように3本の御幣をさします。燃え盛る松明の周りを神輿が3周し、松明が倒されると、御幣をめぐり激しい奪い合いが繰り広げられます。

素朴な「笹キリコ」の行列

 住吉神社の祭礼では輪島川の三角州で松明神事を行います。三角州へ向かう途中、橋の上をキリコが一気に走り出す姿は豪快そのもの。神のしもべである天狗や般若の面をつけた打ち手が激しく打ち鳴らす「御神事太鼓」が神輿を先導し、4~5mの竹の先に燈籠をつけた「笹キリコ」がお供をします。

鯛の形の神輿がユニーク

 フィナーレを飾るのは輪島前神社の祭礼。大漁と海上安全を願う鯛の形をした神輿が、キリコをともなって、町内の細い通りを勢いよく駆け抜けます。港には大漁旗を掲げた漁船が並び、祭りを盛り上げます。

【「担ぐ」ための知恵】

 輪島市まんなか商店街振興組合のキリコは、担ぐことへのこだわりが形として表れ、興味が尽きない。
 人が実際に担ぐ「カタネ棒」(担ぎ棒)にはアテが使われる。カタネ棒の仕口部分の彫り込みを浅く抑え、キリコ本体を囲むようにカタネ棒の下に横架材を井桁状に組んで、真横からも担げる形をとる。横架材にも直接キリコの荷重を担わせるため、蟇股(かえるまた)のように屈曲した形状となる。こうした構造により、カタネ棒にかかる負担はかなり軽減されていると思われる。

輪島市まんなか商店街振興組合にご協力いただき、キリコを解体し実測調査を行った。

細工の美しさと機能美。 キリコは先人の知恵と技術を守り伝えてきた象徴といえる。蟇股のように屈曲した横架材が井桁状に組まれている。

©2016 Kumazawa-lab. All Rights Reserved. 協力:輪島キリコ会館、輪島市まんなか商店街振興組合

石川工業高等専門学校
建築学科 准教授/博士(工学)

熊澤 栄二 さん

ココがみどころ【感動ポイント】

●それぞれに特徴ある祭りが連日にわたって行われる
●夕暮れの海で豊漁を願う入水行事(奥津比咩神社大祭)
●誉れをかけて御幣を奪い合う松明神事(重蔵神社大祭)

輪島大祭日程

8月22日
奥津比咩神社大祭(海士町)

8月23日
重蔵神社大祭(河井町)

8月24日
住吉神社大祭(鳳至町)

8月25日
輪島前神社大祭(輪島崎町)

開催日/8月22日~25日
場所/輪島市中心部(海士町・河井町・鳳至町・輪島崎町)
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問い合わせ/輪島市 観光課
☎0768-23-1146

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